《社会福祉士・前田くにひろ》文京区の行政情報を公開、地域福祉についてのコラム、活動中の法人の紹介

前田くにひろ新聞 No.5(2014年02月発行)

前田くにひろ新聞 No.5(2014年02月発行)

特集:最期まで自宅で暮らす

介護保険とは?

 こんにちは。前田くにひろです。
 アルツハイマー病の母を23年介護している経験から、最後まで自宅で暮らすことを一緒に考えていきたいと思います。まず、介護が必要なときの支えとしての介護保険制度についてご説明いたします。

病気やケガで身体や認知機能に障害を持ったときに、支えてくれる介護サービスを利用した場合、かかった費用の9割を負担してくれる介護保険制度があります。

 その運営する財源は、税金と保険料で半分半分となっています。保険料は、65歳以上は、原則として年金から天引きされ、40歳以上65歳未満の方は、加入している健康保険と一緒に納めます。利用する場合、介護サービスの必要量を判断する要介護認定を受けます。支援が少ない順に、要支援1・2、要介護1~5となります。

 利用申請は、区役所の窓口で行いますが、最寄りの「高齢者あんしん相談センター」でも申請の受付代行をしてくれます。

 生活上の困難を解消し、いきがいをもって自分らしく生活ができるために、どのようなサービスをどのくらい利用するかの月間のスケジュール計画(ケアプラン)を立てることで利用できます。自分で計画をたてることもできますが、計画づくりの専門家であるケアマネージャーにお願いすることもできます。

主な居宅サービス

◯訪問介護
ホームヘルパーが訪問し、食事などの介助・支援を行ないます。

◯訪問入浴
浴槽を積んだ入浴車で訪問して入浴の介助をします。

◯訪問看護
看護師や保健師が訪問し療養上の世話や助言等を行ないます。

◯訪問リハビリ
リハビリ(機能回復訓練)の
専門家が訪問し、リハビリテーションの実施や指導を行ないます。

◯居宅栄養管理指導
医師・歯科医師・薬剤師・看護師・栄養士などが訪問し、療養上の管理・指導を行ないます。

元気なうちから利用できるサービス

5歳以上であれば、利用できるサービス、介護予防事業をご存じですか?
利用は、介護予防係(5803)1209までお問い合わせ下さい。 
 
※PDF版ではサービスの一覧表をご覧いただけます。   

データで見る文京区

 文京区の介護保険の利用状況はどうなっているのか、23区で比較しました。
 右の表は、65歳以上の高齢者のうち要支援・要介護認定を受けた人の割合等を比較してみたものです。文京区は、B欄の要支援の割合が少なく、C欄の要介護の割合が多くなっています。両者を足したA欄の割合では、平均的です。
 こうした傾向になるのは、認定審査が丁寧に行われ、より実態にあった認定がされているのからだと言われています。
 一方、要介護の割合が高いと、サービス利用量が増え、介護保険料が高くなります。これは、D欄は保険料の額ですが、C欄との関連性が高いことからも伺えます。

 要介護を減らすために、介護予防やリハビリを進め、居住環境を整えるなど自立支援を行うことが必要です。
 その介護予防や予防給付を担う高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)の働きが重要です。E欄の包括支援センターが担当する高齢者の数が多いと要介護の割合が高く、要支援の割合が低くなる傾向が見られます。文京区の数が多いのは、センターが4ヶ所だったためですが、今年度から8ヶ所に倍増させました。
 今後、文京区の高齢者がより元気になる支援が進められることが期待されています。

※PDF版では表をご覧いただけます。

50万人の死に場所が足りない!

 いつまでも自分の家で暮らしたいと多くの人は望まれますが、ままならないことも多くあります。どうすれば望みがかなうのか、みなさんと一緒に考えていきます。

 介護や終末期を過ごす場など今後の暮らしの希望を、昨年文京区は、50歳以上の方から伺いました。介護が必要になった時に自宅で暮らしたいと6割から8割の方が望まれ、終末期でも6割の方が自宅ですごしたいということが分かりました。
(参照 高齢者等実態調査の結果)

 一方、日本人の「死に場所」の現実は、60年前までは自宅で8割の方が亡くなりましたが、今は逆に病院で亡くなるのが8割となり、自宅で亡くなるのは1割の方です。

 今後、死亡者数は急増しますが、病床を減らす政府の方針から、16年後には、3人に1人(50万人)は、病院で亡くなることができません。今でも介護してくれる家族のいない一人暮らしや高齢世帯まで、病院から自宅へ戻され、悲惨な最期を迎えていることがあるとの報道もあります。

 上記の調査結果では、家族介護を当てにしている人が3割から6割いました。高齢者を支援する秘訣として【高齢者ケアの3原則】があります。

在宅介護を上手くいかせる秘訣

(1) 継続性→→→「自宅で暮らし続ける」
  住み慣れた場所やなじみの生活習慣などをなるべく変えないようにする。
(2) 自己決定の尊重→→「後見・尊厳死」
  高齢者本人がどう生きるかを決め、まわりはそれを尊重する。
(3) 残存・潜在能力の活用→「幼老共生」
  高齢者の持てる力を活かしていく。子育てに高齢者の力を借りるなど生きがいづくりや相乗効果をねらう。
   

チームで支える在宅医療

 このように区民の思いと現実は食い違います。自宅で最後まで暮らし難い理由は、主に次の2つです。改善が必要です。

①在宅医療・介護サービスが充分でない。
②本人の意思を尊重するなど本人を支援する仕組みが不十分である。

在宅医療・介護サービスを確保では、
(1) 介護疲労や急変時に対応する病院
(2) 24時間対応で在宅医療提供すること
が考えられます。

(1)の後方支援病院として、区は3病院と協定しています。 (東京厚生年金病院、東京日立病院、都立大塚病院)
(2)の24時間対応は、往診の多くが個人医により担われ、過重な負担となっています。
チームで対応する仕組みが必要です。
 区は、「在宅医療連携拠点事業」を26年度から始め、往診医や訪問看護など多様な関係者のチームワークで在宅医療を支える仕組みやネットワークを作ります。
 
 終末期には、尊厳死や延命治療等の決断を求められますが、本人の意思を尊重し、周りは受け止めることが大切となります。

  多職種チームで支える時、ケアに必要な情報を共有する仕組みが大切です。情報通信技術を活用すれば、チームメンバーは常に最新情報を知れるなど、意思疎通がよくなり、よりよいケアが行えます。

自宅で暮らし続ける老い支度

 自宅で住み続ける備えをしていますか?
  自宅 ……自宅は安全ですか。
      バリアフリーですか。
  家計 ……年金や貯蓄などで暮らしを支  
      えていけるのでしょうか。
  自分 ……健康管理ができていますか。
      判断能力はありますか。
 人間関係…家族や知人で助け合えるあい
      だがらを育んでいますか。
 意思表示…延命治療等に対する希望を   
      周りの人に伝えていますか。

障がい者をまもる、後見制度

 認知症や精神的な障害を持つことで、自分の意思の表明や判断力が不十分になり、財産管理や権利擁護が必要になときに、本人の代わりに契約等を行う支援者である後見人を選ぶ「成年後見制度」があります。

 親族や単独の専門家による個人での後見では、後見人の高齢化や不正行為をどう防ぐか等の課題があります。

 厚生委員会で視察した岡山市の障害者施設の旭川荘では、利用者の親の会がNPO法人を立ち上げ、チームを組んで後見を行っています。専門家の力を借りながら、親の会ならではの親身できめ細かい支援を行っており、文京区でも実現したいです。

 地域で暮らす障害のある人は様々な不安を抱えています。その不安を解消するために、横浜市では、身近な人達が役割分担をし、チームで障害者の見守りを行う「障害者後見的支援制度」が実施されています。
この制度では、次のことが行われます。

①施設職員や地域住民が、日々の生活の中で気にかけ定期的な訪問をしながら、日常生活を見まもります。
②障害者と家族の、将来の希望や漠然とした不安などの相談を受けます。
③生涯にわたりよりそいながら、障害者の願う地域での暮らしが実現できる方法を一緒に考えます。

文京区でも実現していきます。

高齢者と子供の多世代共生を

 桑名市の子どもと高齢者が生活を共にするグループホームひかりの里を厚生委員会で視察しました。子どもとの畑仕事や調理で高齢者の力を引き出し、認知症の周辺症状が改善する。先生役となり、子どもにもよい影響がある。また、介護が楽になり、職員の負担軽減になる等多数の効果があるとのことでした。

 文京区の幼・老併設施設では、イベントなど一時的な交流はありますが、日常的に生活を共にし、相乗効果を生み出せるところは、限られているように思えます。

 こうした複合型の施策実施では、
①小規模サービスへの支援の拡充
②他部局との連携等縦割り制度の調整
③意図的・継続的な仕掛け等が必要とのことです。文京区でも効果的にしていきます。

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